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1. はじめに ― 小児鼻炎の重要性

 

小児期は免疫機能や呼吸器系が未発達なため、鼻のトラブルが非常に起こりやすい時期です。その中でも「鼻炎」は子どもに多く見られる代表的な病気であり、日常生活や学習、睡眠の質に大きく影響を及ぼします。

「鼻づまりで夜眠れない」「鼻水が止まらない」「いびきがひどい」といった症状に悩むお子さんは少なくありません。特に慢性的に鼻炎を繰り返すと、中耳炎や副鼻腔炎、さらには集中力低下や発育への影響まで及ぶことがあります。

 

本記事では、小児鼻炎の背景、原因、病態、治療、そして予防について詳しく解説し、保護者の皆さまが安心して子どもの健康を守るための一助となることを目指します。

 

 

2. 背景

 

2-1. 鼻の役割

 

鼻は単に「空気の通り道」ではなく、以下のような重要な機能を担っています。

 • 空気の加温・加湿

 • 異物の除去(フィルター機能)

 • 嗅覚によるにおいの感知

 • 発声時の共鳴

 

小児の鼻は構造的に狭く、粘膜が敏感であるため、炎症や腫れが起こるとすぐに鼻づまりや鼻水といった症状が出やすい特徴があります。

 

2-2. 鼻炎の分類

 

鼻炎は大きく以下に分けられます。

 1. 急性鼻炎(かぜ症候群の一部)

 2. アレルギー性鼻炎(花粉症やハウスダスト)

 3. 慢性鼻炎

 

子どもでは特に「急性鼻炎」と「アレルギー性鼻炎」が多く、いずれも繰り返しやすいのが特徴です。

 

 

3. 原因

 

3-1. 感染による急性鼻炎

 

風邪のウイルスが最も多い原因です。ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなど、数百種類以上のウイルスが鼻炎を引き起こすことが知られています。

 

3-2. アレルギー性鼻炎

 • 花粉(スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサ など)

 • ハウスダスト(ダニ、ほこり)

 • ペットの毛やふけ

 • カビ

 

こうしたアレルゲンに対して免疫が過敏に反応することで発症します。

 

3-3. 環境要因

 • 乾燥した空気

 • タバコの煙

 • 大気汚染

 • 冷暖房による温度差

 

これらは鼻粘膜を刺激し、鼻炎を悪化させます。

 

 

4. 病態

 

4-1. 鼻粘膜の炎症

 

鼻炎では、鼻粘膜に炎症が起こり、毛細血管の拡張や粘膜の腫れ、分泌物の増加が見られます。その結果、鼻水・鼻づまり・くしゃみといった症状が出現します。

 

4-2. 子ども特有の病態

 • 鼻が詰まりやすい → 口呼吸になりやすい

 • 耳管が太く短い → 中耳炎へ波及しやすい

 • 睡眠障害や集中力低下 → 成長・学習に影響

 

 

5. 治療

 

5-1. 急性鼻炎の治療

 

基本は対症療法です。

 • 鼻水の吸引

 • 解熱剤(発熱がある場合)

 • 点鼻薬(短期間)

 • 加湿や水分補給

 

抗生物質は原則不要ですが、細菌感染が疑われる場合は使用することもあります。

 

5-2. アレルギー性鼻炎の治療

 • 抗ヒスタミン薬の内服

 • 点鼻ステロイド薬

 • ロイコトリエン拮抗薬

 • 舌下免疫療法(スギ花粉、ダニ)

 

近年は舌下免疫療法によって、根本的な体質改善を目指す治療も可能になっています。

 

5-3. 慢性鼻炎の治療

 

鼻腔の形態異常(アデノイド肥大、鼻中隔弯曲)が関与する場合、外科的治療が検討されます。

 

 

6. 予防

 

6-1. 感染予防

 • 手洗い・うがい

 • 規則正しい生活

 • 適度な換気と加湿

 

6-2. アレルギー対策

 • 花粉シーズンのマスク着用

 • 外出後の洗顔・着替え

 • 室内の掃除・ダニ対策

 • 空気清浄機の活用

 

6-3. 生活習慣の工夫

 • バランスの良い食事

 • 睡眠の確保

 • 運動習慣

 

 

7. まとめ

 

小児の鼻炎はよくある病気ですが、軽く見て放置すると、中耳炎や副鼻腔炎、さらには学習や成長に影響を及ぼすことがあります。

症状が長引く場合や繰り返す場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

また、アレルギー性鼻炎に関しては、薬によるコントロールだけでなく、生活環境の工夫や免疫療法も選択肢として広がっています。

 

お子さまの健康と快適な生活のために、鼻炎の正しい理解と予防・治療が重要です。

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